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實渕哲也 Tetsuya Jitsufuchi

  • 主任研究員
  • 所属ユニット:地震・火山防災研究ユニット
  • 参加プロジェクト:火山活動の観測予測技術開発
  • 専門分野:計測工学

研究内容

  • 航空機リモートセンシングによる火山観測技術の開発に関する研究
  • 分光計測手法の開発に関する研究
    火山観測用航空機搭載型リモートセンシング装置
     火山災害の発生時,表面現象(温度分布,発熱量,噴気,ガス濃度分布等)の観測により,火山活動の状況把握が可能である.この観測手法として,航空機搭載型装置を用いた機動的なリモートセンシングによる面的,同時的観測が有効である.特に,この観測情報は噴火直後,他の観測手法が火山に近づけない状況での情報(初動のための情報)や噴火災害が収束に向かう際の収束判断のための情報として役立つ.また,平常時の火山体表面温度分布を観測することで,異常時の火山体の熱的活動状況把握が行え,噴火災害の推移の評価に役立てられる. 防災科研では,衛星による観測では達成できない,火山の熱的活動評価に役立つ高空間分解能(1~3m程度)熱画像データの取得や,噴火活動に対応した機動的な火山観測を実現する,火山観測用リモートセンシング装置の開発を,1980年代より継続的に実施しており,1990年にVAM-90A,2006年にARTSを完成させた.

ARTSのデータ

    航空機搭載型放射伝達スペクトルスキャナ:ARTS (2006年~ )
     ARTS (航空機搭載型放射伝達スペクトルスキャナ:Airborne Radiative Transfer spectral Scanner)は,防災科研にとって2代目の火山観測用航空機搭載型リモートセンシング装置として2004~2006年に製作・開発された装置で,2007年3月に性能試験観測を開始し,2008年に性能試験観測を完了,現在,火山観測に活用中である.2010年までに,7火山,約50シーンを計測した. ARTSは航空機の室内に搭載され,下向きの観測孔を通して,高度700~6500mより,直下の画像を,Push broom動作で計測する.ARTSは,地上の0.5~1m四方程度の領域を識別できる空間分解能を有するとともに,その領域からの可視光線から赤外線にわたる光エネルギー(放射輝度)を,421波長(最大)の異なるスペクトルに分けて計測できる(図1).これにより,地表の温度(-20℃~1200℃)や化学成分,火山性ガス(SO2ガス)の濃度等を観測することができる.

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    観測事例:ARTS による2009年の浅間山噴火の観測
     浅間山は,2009年2月2日未明に噴火し,この噴火により,関東地方南部にまで降灰をもたらした.この噴火以後の浅間山の活動状況を把握するために,防災科研は,航空機搭載型放射伝達スペクトルスキャナ:ARTSを用いて,浅間山山頂火口内の温度等の観測を2009年2月21日に実施した.この観測値を,過去の観測値と比較評価した結果,火口内の温度分布形状は,2008年11月の観測時の温度分布形状と大きくは変化していないこと,火口内には,2004年の噴火後のような高温域(600℃程度以上)は存在しないことが分かった(図2.参照) .これらより,2009年2月の噴火以後の浅間山の熱的活動は,噴火以前と比較し拡大していないと推定できた.これらの結果は,火山噴火予知連絡会等へ提供され活用された.

浅間山輝度温度画像

    火山専用空中赤外映像装置:VAM-90A(1990~2005年)
     VAM-90A(火山専用空中赤外映像装置)は,火山体の表面温度観測,降灰状況把握およびその観測手法の開発を主目的に,防災科研が1990年に製作・開発した航空機搭載型のリモートセンシング装置である.VAM-90Aは, whisk broom動作でデータを取得する.航空機に搭載されたVAM-90Aは,高度1000~6000mから航空機の機首方向に垂直な面内で直下点を中心にcross-track方向に±30°の角度でミラーを走査し,波長0.5~13μmの入射光を9つの波長帯(Band1~9)で捉える.この走査と航空機の進行(along-track方向)を利用することで地表の分光画像情報を計測する.防災科研はVAM-90Aを用いて,1990~2005年に, 20火山,約190シーンを計測した.

    有珠山の火山観測

    その他の火山観測

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研究業績等

論文(査読あり)
  • H.Tanaka, H.Senba and T.Jitsufuchi, 1988, THE EFFECT OF PHYSICAL STRESS ON PLANT CELLS IN SUSPENSION CULTURES, Biotechnology Letters , 10, 485-490.
  • H.Tanaka, H.Aoyagi and T.Jitsufuchi, 1992, Turbidimetric Measurement of Cell Biomass of Plant Cell Suspensions, JOURNAL OF FERMENTATION AND BIOENGINEERING, 73, 130-134.
  • T.Jitsufuchi, H.Ishikawa, H.Tanaka and K.Matsushima, 1992, A Simple Method of Fuzzzy Modeling for a Microorganism Reaction, JOURNAL OF FERMENTATION AND BIOENGINEERING, 74, 312-319.
  • H.Aoyagi, T.Jitsufuchi and H.Tanaka, 1993, Development of an Optical Method for Monitoring Protoplast Formation from Cultured Plant Cells, JOURNAL OF FERMENTATION AND BIOENGINEERING, 75, 201-206.
  • H.Ohkura, T.Jitsufuchi, T.Matsumoto and Y. Fujinawa, 1997, APPLICATION OF SAR DATA TO MONITORING OF EARTHQUAKE DISASTER, JOURNAL OF ADVANCE SPACE RESEARCH, 19, 1429-1436.
  • H.Aoyagi, T.Takayanagi, T.Jitsufuchi and H.Tanaka, 1999, Development of an Apparatus for Monitoring Protoplast Isolation from Plant Tissues based on both Dielectric and Optical Methods, JOURNAL OF BIOSCIENCE AND BIOENGINEERING., 87, 762-768.
  • 實渕哲也・鵜川元雄・藤田英輔・岡田義光・宮坂 聡・赤池勝明・松岡滋治,2002,航空機搭載型多波長走査計による有珠山2000年噴火の多時期観測,火山,47,297-323.
  • 實渕哲也,2003,航空機搭載MSS(VAM-90A)で計測した三宅島のSO2ガス濃度分布,日本赤外線学会誌,13,12-13.
  • 和田裕・實渕哲也・大倉博・鵜川元雄,2007,リモートセンシングによる伊豆鳥島の2002年噴火後の地殻変動と温度分布の観測,火山,52,63-69.
  • T.Jitsufuchi, 2010, Development of a new airborne hyperspectral imager for volcano observations, Geoscience and Remote Sensing Symposium (IGARSS), 2010 IEEE International , 657-660
論文(査読なし)
  • 實渕哲也,1995,水圧入力に対する砂層中の間隙水圧の過渡的応答(第1報),防災科学技術研究所研究報告 第54号 1995,54,.
  • 森脇寛・中根和郎・三隅良平・實渕哲也,1995,平成5年8月豪雨による鹿児島災害調査報告,主要災害調査 第32号 1995,32,.
  • 大倉博・實渕哲也,1995,SAR画像による兵庫県南部地震の地表面変化の観測,阪神・淡路大震災関連調査 兵庫県南部地震災害調査報告 1995,.
  • 實渕哲也,2002,グランドトルースデータと光学センサ画像データで検証した災害観測手法としての多周波・多偏波SAR画像データの有用性,防災科学技術研究所研究報告,63,57-70.
  • 大倉博・實渕哲也,2004,災害監視でのリモートセンシングの課題と期待,計測と制御,43,863-867.
  • 鵜川元雄・實渕哲也,2005,表面現象の航空機観測,1998年岩手山噴火危機対応の記録,424-429.
  • 實渕哲也,2008,火山災害の航空機搭載型光学センサによる観測,計測と制御,47,1022-1027.
  • 實渕哲也,2009,火山観測用航空機搭載型リモートセンシング装置-装置の概要と浅間山の温度観測事例-,建設の施工企画,716,19-23.
  • 實渕哲也,2011,ARTS により計測した浅間山の火口内温度分布 -(2007年4月から2010年3月)- ,防災科学技術研究所研究資料,355,1-28.

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国際学会
  • Tetsuya Jitsufuchi and Motoo Ukawa, 2003, DEVELOPMENT OF AN AIRBORNE THERMAL INFRARED DETECTOR FOR STUDYING THERMAL INFRARED MAPPING OF THE SULFUR DIOXIDE PLUMES FROM MIYAKEJIMA VOLCANO, IUGG2003 Abstracts WeekA, A.545.
  • Tetsuya Jitsufuchi, Motoo Ukawa and Eisuke Fujita, Yoshimitsu Okada, 2003, MULTITEMPORAL OBSERVATIONS OF THE 2000 USU ERUPTION USING AIRBORNE MULTISPECTRAL SCANNERS, IUGG2003 Abstracts WeekA, A.548.
  • Tetsuya Jitsufuchi and Motoo Ukawa, 2004, AIRBORNE THERMAL INFRARED SURVEYS FOR MAPPING OF SURFACE TEMPERATURE AND SULFUR DIOXIDE PLUMES AT MIYAKE-JIMA VOLCANO, International Symposium “REDUCING VOLCANIC RISK IN ISLANDS”, .
  • Tetsuya Jitsufuchi, 2007, Airborne Radiative Transfer Spectral Scanner: A new airborne hyperspectral imager for hyperspectral volcano observations, AGU 2007 Fall Meeting, V11D-0812.
  • Tetsuya Jitsufuchi, 2008, Preliminary hyperspectral volcano observations using Airborne Radiative Transfer Spectral Scanner(ARTS), AGU 2008 Fall Meeting , V51E-2091.
  • Tetsuya Jitsufuchi, 2010, Development of a new airborne hyperspectral imager for volcano observations, Geoscience and Remote Sensing Symposium (IGARSS), 657-660.

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報告書等
  • 實渕哲也・鵜川元雄,2002,火山専用空中赤外映像装置による三宅島の山体表面温度観測結果,火山噴火予知連絡会会報,80,58-60.
  • 實渕哲也・鵜川元雄,2002,火山専用空中赤外映像装置による三宅島の山体表面温度観測結果,火山噴火予知連絡会会報,81,50-53.
  • 實渕哲也・鵜川元雄,2003,航空機搭載MSSによる三宅島のSO2ガス濃度分布の定量,火山噴火予知連絡会会報,82,79-80.
  • 實渕哲也・鵜川元雄,2003,火山専用空中赤外映像装置による浅間山の山体表面温度観測結果(2002年8月29日),火山噴火予知連絡会会報,83,32-34.
  • 實渕哲也・鵜川元雄,2003,火山専用空中赤外映像装置による三宅島の山体表面温度観測結果,火山噴火予知連絡会会報,84,22-25.
  • 實渕哲也・鵜川元雄,2003,火山専用空中赤外映像装置による三宅島の山体表面温度観測結果,火山噴火予知連絡会会報,85,58-60.
  • 實渕哲也・鵜川元雄,2003,航空機搭載MSSによる三宅島のSO2ガス濃度分布の定量,火山噴火予知連絡会会報,85,61-62.
  • 實渕哲也・鵜川元雄,2004,火山専用空中赤外映像装置による浅間山の表面温度観測結果,火山噴火予知連絡会会報,86,31-32.
  • 實渕哲也・鵜川元雄,2004,火山専用空中赤外映像装置による富士山東北東山麓の表面温度観測結果,火山噴火予知連絡会会報,86,45-46.
  • 實渕哲也・鵜川元雄,2004,火山専用空中赤外映像装置による三宅島の山体表面温度観測結果,火山噴火予知連絡会会報,86,72-73.
  • 實渕哲也・鵜川元雄,2004,火山専用空中赤外映像装置による伊豆鳥島の表面温度観測結果,火山噴火予知連絡会会報,86,86-88.
  • 實渕哲也,2004,航空機リモートセンシングによる火山観測,Science&Technonews Tsukuba,72,4-5.
  • 實渕哲也・鵜川元雄,2005,火山専用空中赤外映像装置による浅間山の表面温度観測結果(2004年10月7日,10月22日観測結果),火山噴火予知連絡会会報,89,55-58.
  • 實渕哲也・鵜川元雄,2005,火山専用空中赤外映像装置による三宅島の山体表面温度観測結果(2004年11月4日観測,速報画像判読結果),火山噴火予知連絡会会報,90,104-107.
  • 實渕哲也,2008,航空機搭載型放射伝達スペクトルスキャナ(ARTS)による浅間山の火口内輝度温度分布試験観測結果*(2007年4月12日試験観測結果),火山噴火予知連絡会会報,97,.
  • 實渕哲也,2010,航空機搭載型放射伝達スペクトルスキャナ(ARTS)による阿蘇中岳第1火口周辺の輝度温度等観測結果(2008年4月4日観測結果),火山噴火予知連絡会会報,100,68-70.
  • 實渕哲也,2010,航空機搭載型放射伝達スペクトルスキャナ(ARTS)による桜島(南岳,昭和火口)周辺の輝度温度等観測結果(2008年4月8日観測結果),火山噴火予知連絡会会報,100,101-104.
  • 實渕哲也,2010,航空機搭載型放射伝達スペクトルスキャナ(ARTS)による浅間山山頂火口周辺の輝度温度等観測結果(2008年11月14日観測結果),火山噴火予知連絡会会報,102,49-54.
  • 實渕哲也,2010,航空機搭載型放射伝達スペクトルスキャナ(ARTS)による霧島(新燃岳)周辺の輝度温度等観測結果(2008年11月30日観測結果),火山噴火予知連絡会会報,102,172-174.
  • 實渕哲也,2010,航空機搭載型放射伝達スペクトルスキャナ(ARTS)による桜島(南岳,昭和火口)周辺の輝度温度等観測結果(2008年11月26日観測結果),火山噴火予知連絡会会報,102,187-189.
  • 實渕哲也,2010,航空機搭載型放射伝達スペクトルスキャナ(ARTS)による浅間山山頂火口周辺の輝度温度等観測結果(2009年2月21日観測結果),火山噴火予知連絡会会報,103,38-43.
  • 實渕哲也,2011,航空機搭載型放射伝達スペクトルスキャナ(ARTS)による浅間山山頂火口周辺の輝度温度等観測結果(2010年3月14日観測結果),火山噴火予知連絡会会報,106,.
  • 實渕哲也,2011,航空機搭載型放射伝達スペクトルスキャナ(ARTS)による三宅島山頂火口周辺の輝度温度等観測結果(2010年3月18日の観測結果),火山噴火予知連絡会会報,106,.
  • 實渕哲也,2011,航空機搭載型放射伝達スペクトルスキャナ(ARTS)による阿蘇中岳第一火口付近の輝度温度等観測結果(2010年11月20日の観測結果),火山噴火予知連絡会会報,108,175-179.
  • 實渕哲也,2011,航空機搭載型放射伝達スペクトルスキャナ(ARTS)による桜島(南岳、昭和火口)の輝度温度等観測結果(2010年11月21日の観測結果),火山噴火予知連絡会会報,108,236-240.
  • 實渕哲也,2011,航空機搭載型放射伝達スペクトルスキャナ(ARTS)による霧島山(新燃岳)周辺の輝度温度等観測結果(2010年11月24日の観測結果),火山噴火予知連絡会会報,108,241-246.

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ワークショップ・その他
  • Tetsuya Jitsufuchi and Motoo Ukawa, 2003, DEVELOPMENT OF AN AIRBORNE THERMAL INFRARED DETECTOR FOR STUDYING THERMAL INFRARED MAPPING OF THE SULFUR DIOXIDE PLUMES FROM MIYAKEJIMA VOLCANO, Workshop on Strategy of Volcanic Disaster Mitigation , .
  • Tetsuya Jitsufuchi, Motoo Ukawa and Eisuke Fujita, Yoshimitsu Okada, 2003, MULTITEMPORAL OBSERVATIONS OF THE 2000 USU ERUPTION USING AIRBORNE MULTISPECTRAL SCANNERS, Workshop on Strategy of Volcanic Disaster Mitigation , .
編集・著作
  • 實渕哲也,2007,火山専用空中赤外映像装置,自然災害の事典,588-592.

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所属学会・その他

所属学会
  • 計測自動制御学会
  • 電気学会
  • リモートセンシング学会
  • 米国電気学会(IEEE)
  • 米国地球物理学連合(AGU)
社会活動
  • 計測自動制御学会リモートセンシング部会運営委員(1998~)
受賞歴
  • 日本リモートセンシング学会優秀論文発表賞(2003)
  • 防災科学技術研究所理事長表彰(2004)

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独立行政法人防災科学技術研究所